投資の新たな方法として、ソーシャルインパクト投資(社会的貢献投資)が注目されています。
NHKの「クローズアップ現代+」という番組でも紹介されていたので、要点を簡単に説明します。
ソーシャルインパクトは、社会貢献しつつ、利益も得るという新たな投資です。
例えば、貧困層の支援や、子供の教育などへの投資があります。
これまではNPO組織や行政などが行っていた慈善事業に、
投資ファンドやモルガンスタンレー証券のような大手の金融機関が出資します。
投資の原資は、年金基金や投資家から資金調達します。
これまでの投資は、集めた資金を株式や債券で運用していました。
一見、安全な投資先のようですが・・・
しかし、リーマンショックやチャイナショック、英国のEU離脱(Brexit)のような、
世界規模での大暴落があると大きな損失が発生します。
これからは安心な投資先でないと、巨額な資金は動かせないのです。
その点、ソーシャルインパクトは、安定した運用(利益)と、社会貢献が両立できる投資だと考えられています。
一般的に社会貢献や環境への投資は、安定した利回りがあると言われているからです。
もし自国通貨(日本なら円、米国ならドル)で年率8%で運用出来れば、
投資家にとっても魅力的なのです。
番組で紹介されていたソーシャルインパクトの例としては、
米国の貧困層が多い地域で、荒れ果てたビルを再開発していました。
まず子供の教育を行うことで、そこに人が集まります。
人が集まると、飲食というビジネスが生まれます。
仕事を作り、浮浪者を雇用することで、新たな収入ができます。
すると住宅に住めるようになります。
投資家への配当は、
そこに住む従業員の家賃収入、お店のテナント料、お店の売上などから得られる利益、というビジネスモデルです。
最初はほとんど利益が出ないようですが、
長期投資とすることで、良い循環になれば、次第に数パーセントの利益が出るようになるとのこと。
慈善事業と言っても、利益が出ないことには継続できないですからね。
何より利益が出ることで、初期の設備投資に出資してくれる投資家が集めやすくなります。
ソーシャルインパクトが、日本でも発展してくれることを期待しています。
我々、個人投資家の新たな投資先になりますから。
太陽光発電や風力発電のような環境ビジネスへの投資が増えてきたように、
これからは社会貢献ビジネスに投資する時代がくるかも。